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百味飯食(ひゃくみおんじき)

  真言宗御室派大本山 天野山金剛寺では、毎年4月21日の正御影供の日に、金堂に供えられた100種類ほどのお供物=当山の表記では百味飯食・ひゃくみおんじき、霊異記や無量寿経などの表記は百味飲食=をリレー方式で御影堂まで運んで、弘法大師御影=真如親王筆=に捧げられる「百味奠供」の法要が行われます。
 正御影供の準備は1週間ほど前から行われますが、そのうちで百味奠供の主役である百味飯食といわれるお供え物を作るのに最も時間と労力がかかります。
(2008年4月中旬取材)。>> 続きを読む...

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婦人会の人たちが中心になって百味飯食を作ります。里・山・海のものといわれる供え物を持って、境内の一角にある所化部屋に集合されます。
その種類は胡瓜、茄子、百合根、アスパラ、さやエンドウ、栗、ウド、銀杏、落花生、人参、牛蒡、サツマイモ、大豆、小豆、白豆、黒豆、うずら豆、蜜柑、夏蜜柑、金柑、柿(串柿)、バナナ、筍、蕨(わらび)、饅頭類、海草類、お餅(所化部屋の近くの境内でつかれる赤、白、黄、緑色の丸餅や切り餅)などであり、これらの食材を趣向を凝らして盛りつけられます。
盛りつけは、金属製の台座(安政5年・河内国・天野山・金剛寺の銘が入っている)に蕊(麦わらを円柱状に束ねそのうえを葉でくるんでいる)を取り付け、それに爪楊枝や串で刺して食材を飾り付けたり、藁束の芯の代わりに木で作られた蕊に米糊で豆類や銀杏、落花生などを貼り付けていきます。
天然のものであるため大きさや形がそれぞれ不揃いである。これを考慮しながら形を整え盛りつけられます。そのうえ豆類が小さいので盛りつけには根気が要ります。
また、断面が台形で厚さ1cmほどの大・中・小の切り餅の盛りつけは、餅を目分量で厚さ1cmほどに包丁で切るので、厚さが不揃いになる ため、これを台座の上に6角形状に積み重ねて盛りつけると傾きます。厚さ加減をみて傾かないように盛りつけるのに苦労します。
これらの供物は、42種類つくられ、昔から天野地域に住んでいて代々世襲制で受け継がれている寺の世話人とカブ((株)と呼ばれる手伝いの人たちが集まって作られます。
供物の作り方や飾り付けに技術を要するので、年寄りの人たちから若い人たちへと直伝されています。 このように作られた沢山のお供物を「百味飯食」といって、金堂に祭りの前日、飾られます。
  お供物は組み合わされて16の飾り高坏に飾られます。その組み合わせは次のとおりです。
 白ムシ(糯米の蒸したもので約5升、これだけは別個に内陣に供えらます)。 香。味噌・トロロ昆布・鰹・メジキ。銀杏・胡瓜・丸色餅(ミドリ)。ウド・丸色餅(紅)・ウズラ豆(紅・白)。蜜柑・丸色餅(黄)・小豆。饅頭・茄子・切り色餅(紅・ミドリ)。アスパラ・4色の丸餅(紅・白・黄・ミドリ)・インゲンとウズラ(2色)と黒の各豆の組み合わせ。サヤエンドウ・金柑・4色の丸餅。牛蒡・人参・紅白の切り餅。サツマイモ・饅頭・切り餅(ミドリ)。白と黒の豆の組み合わせ・3色の切り餅(紅・黄・ミドリ)・蕨。百合根・落花生・4色の丸餅。串柿・切り餅(黄)・紅白のウズラ豆。饅頭・切り餅(紅)・インゲン豆と紅白のウズラ豆の組み合わせ。饅頭・栗・バナナ。筍・白と黒の大豆の組み合わせ。
  百味奠供が終わると餅まきが行われますが、この丸餅は所化部屋の近くの境内の一角で、2石の糯米を2つのカマドで6つのセイロで蒸してつかれます。昔は臼でつかれていたようですが、今は機械でつき、小さく千切るのも機械で行います。丸めるのは人手で行い、20人ほどの婦人会の人たちが携わります。丸餅の数は1万個ほどになるそうで、さながら餅工場のようです。さらに丸餅を乾燥させるために1日を要し、その後に1つずつビニール袋へ入れます。この餅作りもたいへんな作業です。勿論、豪華景品が当たるクジ入りの餅も作られます。
 百味飯食の一部は、正御影供が終わった後も1年近くの間、金堂の外陣でケースに入れて供えられています。

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