十夜会の法要は、本堂に安置された御本尊・阿弥陀如来の前で住職が読経される中で檀家の人たちが順々に焼香されます。読経では各檀家の名前を読み上げられて先祖代々の廻向や家内安全を祈願されます。
これが終わると、甘さけを参拝者に振る舞われ甘酒をいただいた後で大数珠繰りが参拝された檀家の人たちによって行われます。
大きな数珠が2つありますので今夜は、二十数人の男女の檀家の人たちが二手に分かれて輪になり、それぞれの輪が1つの大数珠を住職の導師の下で般若心経をみんなで唱和しながら
その大きな数珠を両手で捧げて持って順々に繰りながら廻していきます。大数珠には一箇所に房がつけられており、これが回ってくるとお辞儀をして拝み祈願します。この数珠繰りは3回行われます。初回の数珠繰りは般若心経を3回唱和しながら数珠を繰り廻します。少し間を置いて2回目の数珠繰りがはじまり、
般若心経を3回唱和しながら数珠を繰り廻します。3回目は般若心経を4回唱和しながら数珠を繰り廻します。総計で般若心経を10回唱和しながらの数珠繰りがなされます。3回目の数珠繰りに参加させてもらいましたが、汗をかくほどの運動量です。
大勢の人々が1080珠(たま)といわれる大数珠を繰り、各々が一珠繰るごとに念仏を唱え、その総計をもって百万遍念仏を唱えたとみなし、億万遍の功徳が成就するという教えに従って行われます。この百万遍数珠の珠数は1080珠が基本とされますが、必ずしも1080という数であるとは限らないようです
旧暦10月6日から15日までの10日間、昼夜つづけて行われた念仏会であることからこの名前がつけられました。浄土宗の三大教典の1つ「無量寿経」の中に“この世で十日間よい行いをすることは、仏の国で千年間良い行いをすることよりも尊い”と説かれているために
、その教えに従ってはじまりました。現在では1日だけのおつとめをすることが多いようです。 阿弥陀さまが私達を救って下さることに 深く感謝し、無量寿の命に生かされて生きている喜び分かち合い極楽浄土に思いを
寄せて 念仏を称えます。また秋に行われることから 天地自然の恵みに感謝することでもあります。
百万遍数珠繰り:
念仏を百万回唱える行法である「百万遍」のならわしは全国にみられますが、阿弥陀の名号(みょうごう)を唱えて数珠を繰(く)る方法は京都市・知恩寺の善阿(ぜんな)からといわれています。大勢の人々が1080珠(たま)といわれる大数珠を繰り、各々が一珠繰るごとに念仏を唱え、その総計をもって百万遍念仏を唱えたとみなす方法。
