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初薬師

毎年1月8日の初薬師の日に、石見川の船井家では弘法大師から授かったという薬師如来をご開帳されます。親類縁者をはじめとして地域内、近隣から人々がお詣りされ法要が営まれます。普段は敷地内に建立されている薬師堂にお祀りされているが、この日は、座敷にお迎えし弘法大師像と一緒に祭壇に安置されます。(2012年1月取材)。>> 続きを読む...

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船井家の薬師さんと呼ばれており、当家に伝えられている「弘法大師御作薬師如来由緒記」によると、昔、石見川村に貧しく暮らしている家に弘法大師が一夜の宿を乞われました。風が入ったり、雨漏りがする家で、満足な食事を出すことが出来ませんが、どうぞお泊まりくださいと云った。何で生計を立てているのかお聞きになりました。決まった仕事はありませんが、木を切って薪として売っています。林の中では売れず、集落までは遠く、若い時は空腹を堪えて売りに行きました。今は年老いて先々心細く、後生を善くする方法もありません。冥土は暗いところへ行くのではと、悲しみ涙して話す。弘法大師は不憫に思われ、一泊のお礼として、一夜で一寸八分の薬師如来を彫って、苦を取り除き楽を与える御仏であるのでお祀りして信心しなさい。そして、自ら井戸を掘り薬草の種を蒔き育て、薬の製法を伝えられました。弘法大師の教えに従って、薬師如来を安置してお祀り信心して、教わった方法で薬を作りました。この薬は、弘法大師直伝の秘薬、打ち身・骨折から風邪にまで効くという万能薬「イシミカワ」が世間の評価を受け、近年まで製造されていたそうです。  薬草のイシミガワ草は、船井家の庭に自生していますが、その庭にしか育たず他所へ植えても不思議なことで枯れてしまうそうです。
 このようなことから、薬師如来と弘法大師が一緒にお祀りされていますが、いつの頃から始まったのかは不明です。
 毎月のお詣りは、扉を閉めたお堂前にて行われていますが、昔から講を構成しておらないそうです。
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