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河内長野市指定無形民俗文化財

正御影供

天野町にある真言宗御室派大本山天野山金剛寺では、弘法大師の入定された旧暦3月21日を新暦にして4月21日に正御影供が催行されます。
 正御影供は、当寺で約830年間にわたって伝承されてきた行事といわれ、空海・弘法大師の偉徳を慕い、金堂に供えられた100種類ほどのお供物(百味飯食)をリレー方式で御影堂まで運んで、真如親王筆の弘法大師御影に捧げられる「百味奠供」の法要です。(2019年4月下旬取材)。>> 続きを読む...
   
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金堂には「百味飯食」と餅が、みごとに供えられております。
   練供の行列は本坊から楼門をくぐり金堂へと歩み、先導の僧に続いてホラ貝を吹きながらの山伏−信徒総代−遍照会−讃仏会−婦人会−詠歌隊−稚児−散華を撒きながらの僧−大導師の順に進みます。信徒総代から詠歌隊までは袈裟を着け、稚児列の子どもは男の子が烏帽子、女の子が冠を頭に付け、服はカスキ(被衣)と袴の出で立ちで化粧を施し母親に手を引かれて参列します。金堂前で山伏や詠歌隊の人たちに迎えられてお稚児さん、僧侶、大導師が堂内に入り、内陣に安置された本尊・大日如来坐像の周りを巡る法要が営まれます。
 金堂内での法要が終わると、沢山のお供物を金堂から御影堂へ運ばれて弘法大師御影に供えられます。これを「百味奠供」といい、黒の裃に袴、口をマスクで覆った人たちによってリレー方式に手渡して奠供されます。その後、ホラ貝を吹きながらの山伏に送られて僧侶が御影堂に入り、大師御影にお供物を捧げられます。この奠供に加われるのは、昔から天野地域に住んでいる人に限られ、これにもカブがあって世襲されているそうです。
 奠供が済むと餅まきをして、正御影供の行事は全て終わります。
 天野地域では、この日は「レンゾ」といって仕事を休んでよもぎ餅を搗いて、お大師さんや神さんに供えて祝い、親戚や縁者を招いてもてなす日とされており、よもぎ餅は近所に配るのが習慣となっていました。金剛寺の境内に沢山の露店が出て、これを見ながらお詣りし「花見」を楽しんで祝います。この地方では正御影供は1年中で最も大きな行事で、大切な「ハルゴト」と言われて、これが済まないと本格的な春を迎えた気分になれないと語る人もいるほどです。これが季節の要で「トキヨリ」の実感であり、季節のリズムというものが祭りごとの慣行習俗の根底にあるものと思われます。
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